東京グランドホテル 第35回開運祈願『大般若会の集い』

開運祈願『大般若会だいはんにゃえの集い』は、東京グランドホテルが年に一度お届けするイベントです。

両大本山(大本山永平寺・大本山總持寺)の協賛を得て、開運祈願のための大般若経600巻を転読する「大般若会」をメインに、ご導師による「法話」や典座てんぞ和尚(※)による「精進料理」をお楽しみいただけます。

さらに、参加者全員に家内安全のお札をお渡しいたします。

1、日時
2024年1月22日(月)
10:30~ 受付
11:00~ 大般若会
11:45~ 法話
12:20~ 精進料理
2、会場
東京グランドホテル (東京都港区芝2-5-2 アクセス
3、参加費
12,000円(消費税・サービス料込) 予約制
※お飲み物は別途料金となります
※特別祈祷料金(別途5,000円)希望者のみ
4、お申し込み・お問い合わせ
東京グランドホテル
宴会予約係 電話 03-3456-0511
5、主催
東京グランドホテル
6、協賛
大本山永平寺 大本山總持寺

 

 

典座てんぞとは

典座とは、禅寺で食事を司る役職で、寺の実務を担当する六つの重職「六知事ろくちじ」の一つです。

いにしえより道心どうしん師僧しそう発心ほっしん高士こうしてられきたりししょくなり、けだしなお一色いっしき弁道べんどうのごとし。道心どうしんなければ、いたずらに辛苦しんくろうして、畢竟益ひっきょうえきなし

『典座教訓』冒頭部 ※原著は漢文で記されているため、読み方や解釈の細部が異なることがあります。

(意訳)
典座の職は古くから特に熱意にあふれた優れた高僧たちが担ってきた役割です。我が身を調理という任務にまるごとそのまま投げ入れて、純粋な修行に没頭するのです。
詳しくは、日常に禅の教えを取り入れる「作る修行~台所の坐禅~」へ

 

転読大般若 (てんどくだいはんにゃ )

曹洞宗では正月三が日に「転読大般若てんどくだいはんにゃ」と呼ばれるご祈祷を行います。「転読大般若」とは、『摩訶般若波羅蜜多経(通称:大般若経)』の経文を読むことにより、その功徳をもって、世界の平和や各参列者の平安などをご祈祷申し上げる法会のことです。

『大般若経』は、『西遊記』にも出てくることで有名な三蔵法師さんぞうほうし玄奘げんじょう(602~664)が、最晩年になってから4年余りの年月をかけて配下の訳経僧たちとともに翻訳した、あらゆる仏典の中で最大規模を誇る経典です。字数は約500万字、全部で600巻となります。

内容は、大乗仏教の空思想にもとづく般若思想を記録したものであり、同経中では、全部で十六の場所において釈尊が法を説かれています。また、玄奘三蔵はこの訳出を終えてすぐに亡くなってしまいましたが、自分の生存中に経典の翻訳が終わったことについて、諸仏や龍天の助けがあったと述べたことから、この経典が国家や民衆を守ってくれると信じられ、「大般若会だいはんにゃえ」の成立となりました。なお、「般若」というのは、大乗仏教の菩薩が重んじる「六波羅蜜ろくはらみつ」という徳目の一つの「般若波羅蜜はんにゃはらみつ」のことです。これは、「智慧ちえの完成」を意味します。 日本に於ける「大般若会」の歴史を遡ってみると、703年に藤原京にあった四大寺に天皇が命じて行わせたようで、その後は寺院のみならず朝廷の宮中にも僧侶が出張して行われました。737年になると、奈良市にある大安寺で毎年行われるようになり、中世に至って全国に広まっています。

「大般若会」は、その式の中で『大般若経』600巻を全て読みますが、怖ろしく膨大であるため、当然、全て正しく読む(これを「真読しんどく」といいます)のは至難の業です。先に挙げた大安寺では150人の僧侶がこの法会に参加していたようですが、現在の曹洞宗寺院では、少人数で行われる場合も多く、その時には、略して読む方法(これを「転読てんどく」といいます)が採られています。

「転読」の方法は、時代によって変遷があり、当初経典が「巻物」であった時代には、題名と、中間と、末尾のみをめくって読んだそうです。その後、現在のような「折本」が出来てくると、左右や前後に振るようにして転読としました(一説には、経文に節を付けて読むことを「転読」とする見解もあります)。この転読の際に出る風に当たると、一年間は無病息災になるといわれています。

では、いったいなぜ経本を読むのでしょうか?それは我々自身が良い功徳を得るためです。『大般若経』を読むと功徳が得られる理由は、経典の本文に示されています。

 

つねここいて甚深じんじんなる般若波羅蜜多はんにゃはらみったを、受持じゅじし、読誦どくじゅし、精勤しょうごんして修学しゅうがくし、ごと思惟しゆいし、書写しょしゃし、解説げせつし、ひろ流布るふせしめれば、我等われらつねしたがって恭敬擁衛くぎょうようえいし、一切いっさいわざわいをしておう侵悩しんのうせしめず。なにもってのゆえに、善男子ぜんなんし善女人ぜんにょにんとうすなわ菩薩摩訶薩ぼさつまかさつなるがゆえに。

『大般若経』巻100参照

 

この言葉を述べているのは、四天王などを始めとした、諸天という仏法の守護者です。彼らは『大般若経』を、受持し、読誦し、学び、内容を想い、書写し、理解し、他人に説くならば、その人をよく守ると述べているのです。よって、我々はこの「読誦」の修行を、「転読大般若」という法要で行っています。

曹洞宗の「大般若会」については、現在横浜市鶴見区にある大本山總持寺を開かれた太祖瑩山紹瑾禅師(1264~1325)が1324年に編集された『瑩山清規けいざんしんぎ』の中に「大般若経結願疏だいはんにゃきょうけちがんしょ」が収録されていることから、その時代には行われていたことが伺えます。

また、「結願疏」を見ていくと、当時は「信読しんどく真読しんどくに同じ)」をしていたことが分かり、相当の時間をかけて法会を行っていたことでしょう。また、広大なる般若の功徳力を捧げる相手としては、『大般若経』に出てくる様々な仏・菩薩などはもちろんのこと、日本中のあらゆる神社の主宰などにも回向しており、その上で、一切の生きとし生けるものの煩悩を焼き、寿命の無限なることを祈り、智慧を得て心安らかに生きることを願う内容となっています。

なお、正月祈祷の法要は、特に「修正会しゅしょうえ」ともいわれてきました。「修正」とは「正月修法」の略です。『瑩山清規』では、「修正牌」を掛けて法要を執り行っています。ただし、『瑩山清規』では『当途王経とうずおうきょう普門品ふもんぼん)』をお唱えしていたようです。また、「歎仏会たんぶつえ」を行うように指示した場合もあって、正月祈祷には様々な形態があったことを伺わせますが、とにかく1年の幸せを祈るのに最適の方法が模索されていたのです。そして、後には『大般若経』を転読する法要になり、『行持軌範ぎょうじきはん』では「転読大般若」と呼ばれています。

多くの場合、曹洞宗寺院にお越しになる方は、ご先祖さまのご供養を念願して、ご葬儀・ご法事を行う場合が多いと思います。それは、死後の方の安寧を祈る内容です。

ところが、正月祈祷である「転読大般若」は、今ここで生きている我々自身について、1年の幸福を祈る内容です。よって、もし菩提寺から案内など来ましたら、1年間、気持ちよく生きることができるように、ご参列いただくと良いと思います。