大本山總持寺開山太祖瑩山紹瑾禅師700回大遠忌 近畿管区予修法要開催報告

2023.07.11

4月19日(水)、近畿管区における大本山總持寺開山太祖瑩山紹瑾禅師700回大遠忌近畿管区予修法要は、滋賀県にある日本最大の淡水湖でありまた、およそ400万年もの長い歴史をもつ日本最古の湖で、世界中で20ほど存在する古代湖のうちの一つであり、60種を超える固有種を誇るなど貴重な自然環境を有するとともに、近畿圏1450万人の生活や産業の発展に欠かすことができない国民的資産である湖、琵琶湖のほとりに位置するびわ湖大津プリンスホテルにおいて大本山永平寺貫首南澤道人禅師を導師に執り行われた。

曹洞宗の太祖大師と仰がれる瑩山紹瑾禅師は、文永元年に誕生された。禅師8歳の春、母に連れられ永平寺へ登り、三世徹通義介禅師のもとで沙弥(ひな僧)となり、13歳になると、二世孤雲懐弉禅師に随いて得度式(正式出家)を挙げられ、以来、本師徹通禅師に従って宗義を学び、正中2年にお亡くなりになるまで、正法を広め宗旨を敷衍することに全生涯を投じられた。そのご遺徳を偲ぶ700回大遠忌(50年ごとに行われる年忌)を、令和6年に迎えることとなるが、前年となる令和5年は全国9つの管区及び海外の4つの国際布教総監部で予修法要が執り行われることとなっている。今回の近畿管区予修法要はその先陣をきって修行された。

当日は、快晴に恵まれ、滋賀県、京都府、大阪府、奈良県、和歌山県、兵庫県地区でなる近畿管区より僧侶・寺族・檀信徒約200名が参集し、瑩山紹瑾禅師のご遺徳を偲んだ。
10時30分に法要の始まりを知らせる鐘が打ち出され、開会の辞により予修法要が始まった。服部宗務総長より「瑩山紹瑾禅師のご遺徳を偲び、ご参集の皆さまと共に予修法要をお勤めできる喜びに感謝します」と挨拶があった後、殿鐘三会で近畿管区内の所長による両班が入堂、森泰孝梅花流師範の独詠による詠讃歌「三宝御和讃」が厳かに奉詠されるなか、池田道俔近畿管区管区長と奥谷良晃滋賀県宗務所所長を御先導師として南澤道人禅師が上殿され、会場にいた参加者全員が合掌でお迎えした。

伝供十八拝、拈香法語が唱えられ、両班の出班焼香、大衆九拝と法要が進み、維那の白澤雪俊師より「疏」が宣読された。「疏」とはこの法要の意義と瑩山紹瑾禅師を讃える言葉を示したものである。

読経中、宗門護持会長・評議員ら代表者による焼香、略回向と法要が進み、普同三拝では会場の参加者全員が合掌礼拝した。

法要後、南澤道人禅師より「瑩山紹瑾禅師は、『たとい難値難遇の事有るも、必ず和合和睦の思いを生ずべし』と示され、人々の悲しみも苦悩も我がことのように受け止め、相和して生きることをお説きです。自分の為だけでなく社会と共に歩み、相手の幸せを自分の喜びとすることができるよう努めてまいりましょう」とお言葉があり、「正法御和讃」の奉詠のもと退堂された。

最後に大本山總持寺監院で大遠忌局総監の渡辺啓司老師より挨拶があった。渡辺老師はまず、この予修法要を行うに際して、ご尽力してくださった近畿管区内外の多くの方に対し、感謝の意を表された。また、大本山總持寺では、来年の大本山總持寺開山太祖瑩山紹瑾禅師700回大遠忌を迎えるにあたり準備が進められており、来年の本法要でも、たくさんの方にお参りいただきたいと述べられ、およそ1時間半にわたる法要は無事円成した。