曹洞宗総合研究センター 第25回学術大会開催報告

2023.11.30

2023年10月30日・31日の両日、曹洞宗檀信徒会館(東京グランドホテル)を会場として、曹洞宗総合研究センター第25回学術大会を開催した。2会場における計43名の個人発表に加え、「大本山總持寺開山太祖瑩山紹瑾禅師700回大遠忌記念シンポジウム」を開催し、来年に控えた瑩山紹瑾禅師700回大遠忌を慶賛した。

初日は、午前9時30分より桜の間にて開会式を挙行し、服部秀世宗務総長並びに志部憲一総合研究センター所長の挨拶にて幕が開いた。

午前10時より、桜の間にてシンポジウムの第一部「太祖瑩山禅師~曹洞宗の未来を開く~」を開催した。冒頭、総合研究センター元所長・駒澤大学名誉教授である池田魯參師により、「『伝光録』~新たな宗旨の展望~」と題した基調講演が行われ、瑩山禅師・『伝光録』の歴史的・思想的意義について解説いただいた。

シンポジウム第1部 パネルディスカッション

引き続き、田村航也師は城滿寺、竹内弘道師は『洞谷記』、尾﨑正善師は古文書という各自のテーマに基づき、曹洞宗の未来を見据えた発表がなされた。

最後に全員が登壇し、相互の意見交換や会場からの質疑への応答など、積極的な議論が行われた。

午後1時からは、シンポジウムの第2部として、宗学研究部門によるリレー発表「瑩山禅師の総合的研究~『瑩山清規』を中心として~」が行われ、部門の共同研究の成果に基づきつつ、研究員個々の問題意識に即した発表が行われた。

特に第1部には、大本山總持寺より、管長猊下をはじめ、監院老師、後堂老師のご臨席を賜った。その他、多くの聴講者にご参加いただき、大変盛況なシンポジウムであった。

各部会の個人発表では、宗学・禅学・仏教学や教化学はもちろんのこと、コロナ禍以後の社会に着目した内容、日頃の教化実践活動をもとにした内容など、幅広い分野・視点からの意欲的な発表が行われた。かねてより行っている臨済宗妙心寺派との学術交流の一環として、本年も花園大学国際禅学研究所客員研究員の瀧瀬尚純師からも発表がなされるなど、多岐にわたる研究発表となった。

発表内容は、後日『曹洞宗総合センター学術大会紀要』(第25回)として編集・刊行する予定である。また大会にご参加、ご協力いただいたすべての方々に感謝を申し上げる次第である。

曹洞宗総合研究センター  記