大本山總持寺開山太祖瑩山紹瑾禅師700回大遠忌 九州管区予修法要開催報告

2023.11.30
予修法要開催を告げる会場掲示

九州管区の大本山總持寺開山太祖瑩山紹瑾禅師700回大遠忌予修法要は、令和5年9月8日(金)、令和4年に開通した、西九州新幹線の始発駅となる武雄温泉駅のある佐賀県武雄市で執り行われた。当日は、午前中に第25回佐賀県檀信徒大会、予修法要終了後には宗門護持会九州地区管区集会を開催するという濃密な一日となった。

天候は晴れ、9月にもかかわらず30度を超える真夏日となったが、会場の武雄市文化会館大ホールでは約800名の参加者を迎え午前10時に佐賀県檀信徒大会が始まり、仏祖諷経、檀信徒・自然災害・被差別戒名の各物故者追悼法要に続き、大本山總持寺副貫首盛田正孝老師による『日本人の宗教心~いのちの尊さ~』と題したご講演があった。講演の冒頭、今でも世界中で発生している戦争により損なわれた尊い命、また大切な方を亡くした悲しみと苦しみが一日も早く癒されることを祈り、黙祷がささげられた。

導師上殿

県外よりの参加者も到着し、大本山總持寺関係者、宗務総長をはじめとした内局、管内宗議会議員、管内僧侶や寺族、檀信徒の方々約1000名が会場を埋め尽くす中、定刻の13時となった。服部秀世宗務総長の挨拶の後、殿鐘の鳴らす鐘の音とともに両班が位につき、引き続き打ち鳴らされる七下鐘により、大本山總持寺貫首石附周行禅師が厳かに上殿され、参加者全員合掌でお迎えした。法要は、宗門の行持で最も格式の高い「十八拝差定」で勤められた。

拈香法語では、須弥檀上に掛けられた瑩山禅師の頂相を仰ぎ見てご遺徳を讃える法語が朗々と唱えられた。開班、出班焼香の後には維那の「大衆九拝」の声に合わせ、場内の宗侶、檀信徒は斉しくお拝した。宣疏跪炉では、石附禅師が柄炉へ香をたかれる中、維那が法要の意義と瑩山禅師を讃えるお言葉を導師に代わって朗々と唱え、「参同契」「寶鏡三昧」を読経し、本堂内に見立てたホールの壇上を遶行した。 法要の最後に石附禅師より、「この度の予修法要で結ばれたご縁を大切にし、太祖瑩山禅師のご遺徳をお讃えすると同時に、ともに『相承』されてきた慈しみの心を自らの心とし、それを未来へ伝えていくことが大切です」というお示しがあった。引き続き大本山總持寺監院・大遠忌総監の渡辺啓司師の挨拶により法要は無事円成した。

宣疏の様子

午後に2時半、会場を中ホールへ移し約190名が参加し、宗門護持会九州地区管区集会が開催され、佐賀部落解放同盟研究所の中村久子氏を迎えて、『部落差別の克服にむけて~差別の現状から考える~』と題した人権学習が行われた。部落差別問題を中心にSNSや動画サイトなどインターネット上にみられるような人権問題の現状についてお話があり、いわゆる「人権問題」を自分のこととして考えることが大切で、解決に導く唯一の手段であると訴えられた。

管区集会は、松原道一総務部長の挨拶により閉会し、当日すべての行事は無事円成し、準備に関わったスタッフは、このありがたいご法縁に感謝していた。