大本山總持寺開山太祖瑩山紹瑾禅師700回大遠忌 東海管区予修法要開催報告

2023.12.01

新型コロナウイルス感染症が令和2年1月より国内に蔓延し、生活様式も変化し、宗門も3年余り思うような活動ができなくなった。しかしながら、本年5月に新型コロナウイルス感染症法上の位置付けが季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げとなり、宗門もこの事柄に鑑みて、本年、大本山總持寺開山太祖瑩山紹瑾禅師700回大遠忌予修法要を国内管区ごと9会場、海外国際布教総監部4会場で執り行うこととなった。

東海管区では、10月3日(火)愛知県東海市芸術劇場に於いて大本山總持寺貫首石附周行紫雲臺猊下御親修の下、大本山總持寺開山太祖瑩山紹瑾禅師700回大遠忌予修法要が謹修され、併せて宗門護持会東海管区集会が執り行われた。当日は爽やかな秋晴れに恵まれ、東海4県10宗務所171教区の各護持会長、教区長はじめ400名余りが来場され、粛々と且つ盛会裡に進められた。

服部宗務総長挨拶

午後0時、開式の辞で服部秀世宗務総長が開催の喜びを語り、瑩山禅師の遺徳、法要の意義を述べられ予修法要が始まった。

殿鐘が打ち鳴らされる中、三宝御和讃で大本山總持寺貫首石附周行紫雲臺猊下が上殿され、特為献供、導師による十八拝の礼拝を捧げる供養が厳粛に勤められ、さらに維那の前總持寺後堂・東泉寺住職の前川睦生師が瑩山禅師の御遺徳を示された疏をお唱えになる声が、静寂な会場内に朗々と響き渡った。

また法要中、参加者を代表して前愛知県第3宗務所長・長光寺住職の村瀬俊高師、柴田正晴宗門護持会長、伊藤清彦宗門護持会副会長の3名が焼香された。

紫雲臺猊下は、法要を終えての御垂示で瑩山禅師の『洞谷記』から「たとえ難値難遇のことあるとも、必ず和合和睦の思いを生ずべし」の一節を引用され、「人々の苦悩を我がことのように受け止め、相和して生きることに努めましょう」とお示しになった。

最後に、大遠忌総監の渡辺啓司大本山總持寺監院の御礼の挨拶を以て閉式となった。

献茶湯の様子

なお、法要はスライドを用いて解説を行い、来場の檀信徒への教化となるものになった。

休憩後、午後1時30分より宗門護持会東海管区集会が開会され、渡辺信行東海管区教化センター統監により開会の辞が述べられ、仏祖諷経が東海管区長の福島寛行静岡県第3宗務所長導師の下、修行された。

引き続き、柴田正晴宗門護持会長、福島寛行東海管区長、宗門護持会常任顧問、服部秀世宗務総長の挨拶を頂戴し、最後に宗門護持会副会長の伊藤清彦静岡県第3宗務所護持会長より「宗門護持会宣言」が声高らかに読み上げられた。

人権学習では、静岡県伝心寺住職の井上正信師を講師に迎え「僧侶の人権について」をテーマにお話しをいただき、基調講演では愛知県瑞境寺住職の佐藤悦成師に「相承―瑩山禅師の偉績―」と題して、瑩山禅師の一生と教え、先程の御垂示の解説ともなるお話しをいただいた。

大遠忌予修法要

閉会式では、参加者一同で宗歌奉唱し、宗門護持会常任理事の松原道一総務部長の閉会の挨拶、東海管区副管区長の豊田泰応静岡県第4宗務所長により閉会の辞が述べられ、すべての行事が終了した。

今回、予修法要・基調講演を通じ、寺院護持、宗門護持の心得とは、瑩山禅師の「師檀和合して、親しく水魚の昵づきをなし、来際一如にして骨肉の思いを致すべし」また「瑩山、今生の仏法修行はこの檀越の信心によって成就す」という洞谷記の教えを理念とし、その教えを相承していくことだと参加者に伝えることができた。

終了後は、参加者の退場も円滑にすすめられ、それぞれ無事に帰路に就かれた。

結びに、東海管区大遠忌予修法要並びに宗門護持会管区集会開会にあたり企画、運営、会場設営にご尽力いただいた下山文照愛知県第3宗務所長、同宗務所職員、さらにまた当該宗務所管内寺院の御協力により円成できたことに対し、心から感謝の意を表すものである。