令和8年 年頭の挨拶  

2026.01.01

令和8年丙午(へいご)丙午(ひのえうま)」の新年が明けました。共に、恙無(つつがな)く新年を迎えられた事を素直に感謝し、新春の光明に浴されて居られます皆様に、心よりお慶びを申し上げます。

丙午(ひのえうま)の迷信に踊らされることは慎まなければなりませんが、火の力を象徴するとされる歳の始め、火に対して思いを巡らせることは肝要かと存じます。

人は、火を使用することで、社会的文化的進歩を飛躍的なものとしました。調理・暖房・(あか)り・猛獣や害虫に対する防御。特に火を使った調理は豊かな栄養をもたらし、食材の幅を広げ、そのことは脳の発達を促しました。

今火は、私たち人類にとっても必要不可欠な存在です。丙午(へいご)の本年、火への感謝と畏敬の念忘れてはならぬと自戒しております。

さて、その貴重な火ではありますが、畏敬を忘れぞんざいに扱ったり、使用方法を誤れば取り返しの付かない悲劇をもたらします。猛火は全てを焼き尽くし灰燼(かいじん)としますが、暗夜の(ともしび)は救いの光明となりましょう。また、火は大事を成し遂げる情熱にも(たと)えられますが、人間を豹変させる内なる煩悩も燃えさかる火に譬えられています。

火の力を象徴し、情熱や気力の旺盛とされる本年、「今や戦後ではなく新たなる戦前」と識者は警鐘を鳴らしています。人間を人間たらしめた火への畏敬を忘れず「決して兵火や戦火とは致しません」と念じなければなりません。

皆様のご多幸をお祈り申し上げます。

 

曹洞宗管長 南澤道人

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ラジオNIKKEI 2026.1.1 放送 「声の年賀」より