独立行政法人国際協力機構(JICA)が発行するサステナビリティボンド(環境・社会貢献債)への投資について

2023.06.27

曹洞宗は、資産運用を通じた社会貢献活動と、持続可能な開発目標(SDGs)達成への取り組み、そして禅の信仰実践の一環として、独立行政法人国際協力機構(JICA)が発行するサステナビリティボンド(環境・社会貢献債)に対し、1億円の投資を実施いたしました。曹洞宗としては、令和3年度に続き2回目の投資となります。

 

1.JICA(ジャイカ)とは

JICAは、日本国の政府開発援助(ODA)を一元的に行う機関として、開発途上国などへの国際協力を行っている組織です。

独立行政法人国際協力機構法(JICA法)によって設置され、開発途上地域の経済及び社会の開発若しくは復興又は経済の安定に寄与することを通じて、国際協力の促進並びに我が国及び国際経済社会の健全な発展に資することを活動の目的としています。

<JICAについて>
JICA at a Glance | 一目でわかるJICA

 

2.サステナビリティボンド(環境・社会貢献債)とは

サステナビリティボンドとは、ICMA(国際資本市場協会)が定める「サステナビリティボンドガイドライン」等に基づき、環境的課題と社会的課題の双方の解決に資するプロジェクトの資金調達のために発行された債券のことです。今回曹洞宗が購入した国際協力機構債券(JICA債)は、第三者評価機関よりセカンドパーティーオピニオン(SPO)を取得しており、サステナビリティボンドとして発行されています。

 <フレームワーク及びSPO>
bond_framework_jp.pdf (jica.go.jp)
bond_opinion_jp.pdf (jica.go.jp)

 

3.SDGs達成への取り組みと、禅の信仰実践として曹洞宗が取り組む意義

 JICA債への投資は、日本政府の「持続可能な開発目標(SDGs)実施指針」において、SDGs達成に向けた民間資金の動員ツールとして位置付けられており、調達資金は、開発途上地域の社会経済発展のために必要な公共事業等に対する融資(有償資金協力業務)という形で活用されます。

<JICA債についての資料>
JICA債について
独立行政法人国際協力機構(JICA)について (資料編)

 

また、直近の重点的な取り組みとして、ウクライナの緊急復旧に向けた包括的な支援や、トルコ・シリア大地震に対する援助隊の派遣といった、対外的な危機対応支援を行っています。

 <JICAの国際緊急援助>
国際緊急援助 | 国際緊急援助 - JICA
【G7特集・1】国際社会が直面する重要課題「ウクライナ支援」:日本、そしてJICAが果たす役割 | 2023年度 | トピックス | ニュース - JICA
トルコ共和国における地震被害に対する国際緊急援助隊・医療チームの帰国 | 2022年度 | 緊急援助ニュースリリース | ニュース - JICA

 

曹洞宗では、1992年以来、「人権・平和・環境」というスローガンを掲げ、様々な取り組みを行ってきましたが、これは貧困や差別、環境や平和の問題を包括的に理解し、連携して取り組もうというSDGsの目標と理念を同じくするものであり、「誰一人取り残さない社会の実現」は、信仰に生きる私たちにとって、生きる意味や信仰の実践に深くつながる重要なテーマであるといえます。

曹洞宗の教えには、困難を抱え生きている人々の苦しみを、少しでも和らげることが出来るよう、願い行動するという菩薩行の実践があります。これは社会全体や相手のための行いであると同時に、自分自身を仏として成長させる大切な修行でもあります。曹洞宗におけるSDGs達成への取り組みは、単に社会貢献活動としてだけではなく、禅の信仰実践として位置づけられています。

曹洞宗では、今後もSDGs達成への取り組みを通じ、更なる禅の信仰実践につとめることで、教団の社会的役割を果たしてまいります。