SDGs for School×曹洞禅 -The Sixth Year-①

2026年3月、熊野灘に面した美しいリアス式海岸の小さな漁村、三重県熊野市二木島町で合宿を行いました。2泊3日の日程では、お寺での坐禅体験や写仏などの仏教ワークショップを行ったほか、地元の魚介をつかった料理作りと食事、「五観の偈」を題材に、肉魚を使わないことだけが「精進」なのではないことを学びました。最終日には定置網漁を体験し、流通販売経路に乗らず廃棄される「未利用魚」を使った料理も行うなど、多くの貴重な体験をする機会となりました。

〇さとこ
・高校3年生

今回は「過疎」というテーマで二木島町に行きました。また、「町のために何ができるか」を考えることが課題として伝えられていました。しかし、3日間実際に過ごす中で、朝に真っ赤な朝焼けを見たり、森で鹿に出会ったりして、町の魅力に一気に引き込まれました。

その中で強く感じたことは、小さなコミュニティーの中にある強い団結です。例えば、町の方々のお話の中で、「町が好き」「変わってほしくない」という言葉や「ビジネス目的でやってきた人は容易に町に入れない」というお言葉がとても印象に残りました。

私は以前、私の住む地域に大型のマンションが建設されて景観が悪くなった時、「違う地域に住みたい」と感じました。そしてそれは、私にとって地域は自分にとってのツールでしかなくて、代わりは他にもあるのだと気づき、どこか寂しさを感じたことがありました。だからこそ、二木島町の絆に私は強く惹かれました。

私は町の過疎対策のために、「地方創生」というゴールに向かって学びを進めていました。しかし、町の人たちに話を聞いているなかで、単に町に人が増えれば良いのではないことに気づかされました。なぜなら、新しいビジネスを取り込んだり、移住を受け入れたりするだけではなく、私たちのようにその町の魅力に触れて、互いに歩み寄る場が重要だと感じたからです。

そのためには、町の人と外からやってきた人たちを結ぶための架け橋となるような制度が必要だと感じました。そこで私は、「関係人口」というものについて紹介します。関係人口とは、特定の地域に継続的に多様な形でかかわる人のことを指します。よく、「観光以上移住未満」と例えられます。具体的には、祭りやイベントの運営に参画して楽しむなど、町を少しずつ知っていく関わり方があります。

今回の二木島での経験から、「文化を知り、町を大切に思う気持ち」を育むことが私にできるアクションだと感じました。みなさんも、日本の地域にあるすばらしい文化に関心を持ち始めることから始めてみませんか?

 

〇Minaty
・高校1年生

僕はフィールドワークで二木島での合宿に参加しました。二木島に着いた直後は、移動の疲れもあり少し体調が良くなかったのですが、海がとてもきれいで眺めているうちにすぐに元気になりました。

一方で、陸側には要らなくなった廃材が捨てられているのを目にしました。僕はジャンクアートを作ることに夢中で、どこで廃材が手に入るか探していました。なので不法投棄された廃材を使って作品を作れば、街も綺麗にすることができるのではないかと思いました。 

お寺では書道体験をしました。僕は巨大な和紙と筆で美術の『美』の字を書きました。普段書く楷書ではなく、草書にチャレンジしたので、書き順や形に意識がとられ、難しかったです。絵と違って、書道はあとから修正できない一発書きなので、緊張もしました。思っていたよりうまく書けなくて、悔しくなりました。1、2枚まで書いたところで先生に手伝ってもらい3枚目で納得できる出来になりました。

他には写仏体験をしました。写仏とは、仏様の下絵を筆やペンで丁寧になぞって書き写す修行のことです。集中して線を引くことで心を落ち着かせ、自分に向き合う効果があるそうです。その日は早朝に漁業体験をしていたので疲れていましたが、仏様を写して書いているうちに海の波の音だけが聞こえるようになり、疲れを感じなくなりました。皆さんも心を落ち着かせたい時には試してみてください。写仏の下絵はネットで検索すれば、データをダウンロードして印刷できます。僕は、写仏の体験を通して集中して絵を描くことの楽しさを再確認しました。

僕はこの合宿で美術制作に通じる様々な体験ができました。今後の作品づくりにも活かしていきたいです。特に、二木島で見た多くの廃材にインスピレーションを得たので、僕は今年ジャンクアートプロジェクトを立ち上げることにしました。どういう活動になっていくか、楽しみです。これからも自分だけの表現を追求するために頑張りたいと思います。