「禅・美・食~五感を研ぎ澄まして食をいただく」開催報告

2023.10.19

9月28日(木)、大本山永平寺別院長谷寺を会場に、「禅と食」関連イベント「禅・美・食~五感を研ぎ澄まして食をいただく」を開催いたしました。

ファッションモデルのSHIHOさんと料理家の杉山絵美さんの協力による、ヨガ、坐禅、写経、精進料理の4つを味わうイベントで、定員いっぱいの20名の方がたにご参加いただきました。

参加の動機として、SHIHOさん、杉山絵美さんのファンという方も多かったのですが、坐禅や写経の良さ、曹洞宗における食への向き合い方を知り、「禅の素晴らしさを体験できてよかった」という感想が、参加者に共通していたことが主催事務局としてとても印象に残りました。

今後も、「禅と食」関連イベントを不定期ながら開催してまいりますので、皆さまのご参加を心よりお待ち申し上げます。

 

 

当日の献立レシピ(中秋の名⽉にちなんだ精進料理)

杉山絵美さんのご厚意により、当日のレシピを公開いたします!

椎茸と蓮根のステーキ⼭椒⾵味

■調理時間 10分

■材料 2〜3⼈分

椎茸 6個
レンコン 1/2個
パン粉 ⼤さじ2
オリーブオイル ⼤さじ1.5
塩胡椒 ⼩さじ1/4
醤油 ⼤さじ1

〇タレ
醤油 ⼤さじ1
みりん ⼤さじ1
酒 ⼤さじ1
⼭椒 適量

  1. 椎茸の⽯づきを取り、みじん切りにする。レンコンをみじん切りにする。
  2. 器に、みじん切りにした椎茸の⽯づき、レンコン、パン粉、オリーブオイル、塩胡椒をいれ
    て混ぜる。椎茸に詰める。
  3. フライパンをやや強めの強⽕で熱し、オリーブオイル(分量外)を⼊れて、椎茸を上の部
    分を下にして1分弱焼いて裏返しにする。フライ返しで椎茸を押し焼き、2分くらいして
    こんがり美味しそうな⾊がついたら、フライパンから取り出す。
  4. タレを作る、4のフライパンに、醤油、みりん、酒を⼊れて、沸騰させてアルコールを⾶
    ばす。
  5. お⽫に椎茸を盛り付け上からタレをかけて⼭椒をふってできあがり。

■Point
椎茸を裏返したら、フライ返しで椎茸を押して、レンコンの詰め物に美味しいだし汁を吸わ
せてください。レンコンはこんがりと⾹ばしくカリッと焼いた⽅が美味しいです。

■Make your own.
椎茸の代わりに茄⼦で代⽤しても良いです。レンコンの詰め物には、お好みでニンニクのみ
じん切りをいれたり、繋ぎに⻑芋のすりおろしを⾜すのもおすすめ。ただし精進料理にはニ
ンニクなどの⾹りが強いものはいれません。

胡⿇⾖腐2⾊のソースを添えて

■調理時間 10分

■ 材料 6.7cmx3cmの器(約70cc) 6個分

〇胡⿇⾖腐
練り胡⿇ 60cc
くず粉 60cc
だし汁 420cc

〇オレンジ味噌ダレ
味噌 ⼤さじ1
マーマレード ⼤さじ1/2

〇ヴィーガンジェノベーゼ
蕪の葉 3枚
カシューナッツ ⼤さじ2
オリーブオイル ⼤さじ2
塩 ⼩さじ1/4

  1. 胡⿇⾖腐の材料をすべてボールに移し、出来るだけだまにならないように混ぜる。なめ
    らな胡⿇⾖腐にするために、混ぜたものをザルでこす。
  2. 1を鍋に⼊れて、中⽕にかけながら、⽊べらで絶えず練る。葛が固まり始めたら、弱⽕
    にして、さらに、10分程度、練り続け滑らかにする。
  3. 型を⽔で濡らし、2の胡⿇⾖腐を流し⼊れる。2時間くらい常温で約2時間置いて固め
    る。
  4. オレンジ味噌タレを作る、味噌とマーマレードを混ぜる。味噌が硬いようだったら少量
    の⽔で伸ばしてください。
  5. ヴィーガンジェノベーゼソースを作る。材料を全てブレンダーで撹拌する。ブレンダー
    がない時は、包丁で蕪の葉の微塵切りにし、潰したナッツとオリーブオイル、塩を混ぜ
    てください。
  6. 胡⿇⾖腐を器に盛り付けて、2種類のソースをかけて出来上がり

■Point

胡⿇⾖腐を固める時は常温で固めた⽅が美味しくできます。急いでいる時は冷蔵庫に⼊れ
て固めてもいいですが、硬くなります。胡⿇⾖腐は常温で固めて、常温でいただくのが滑
らかでおすすめです。

■Make your own.
お寺では敷味噌という、⾚味噌を⽕にかけて、味醂とお砂糖で味つけしたタレでいただきます

トマトと⼤根の紅⽩なます⻘みかん⾵味

■調理時間 10分

■ 材料

⼤根 適量
ディルもしくはお好みのハーブ 適量
トマト 適量
⻘みかん 適量
砂糖 適量
塩 適量

  1. ⼤根を細⻑い短冊上に切り、重ねてつまのように切る。
  2. 1を5分程度⽔にさらしておき、しっかり⽔気をきってボールに移し、
    ⻘みかんを適量しぼりかける。
  3. 2に塩と砂糖を少々ふりかけ、⻘みかんの搾り汁をふりかける。味⾒を
    して好みの味に整える。最後に刻んだディル(もしくはお好みのハー ブ)を加えて混ぜる。
  4. 器に盛り付け、ミニトマトと⻘みかんを添えて出来上がり

栗とナッツの混ぜごはん

■調理時間 5分(炊飯時間含まず)

■ 材料 3〜4⼈分

ごはん 2合
蒸栗 90g
てんさい糖シロップ ⼤さじ1
アーモンド 30g
昆布茶 ⼩さじ2

  1. ご飯を炊く。やや硬めに炊くと良い。
  2. 栗は、適当な⼤きさに崩し、てんさい糖シロップをかけて混ぜて、シロップが染み込むまで少し置いておく。
  3. ナッツはビニール袋に⼊れて瓶の底などで叩いて砕く。
  4. 炊き⽴てご飯に、栗、ナッツ、昆布茶を⼊れて、しゃもじで混ぜて出来上がり

■Point

栗は、甘味を足してない蒸栗、茹で栗がおすすめですが、すでに甘くなっている栗を使用しても大丈夫です。その際には、シロップはなしにしてそのまま入れてください。てんさい糖シロップの代わりに、砂糖水、アガペシロップ、メイプルシロップでも良いです。生の栗のから作る場合には、炊飯器を使って茹でたり蒸すと簡単です。茹で栗は栗を洗って殻のまま炊飯器に入れ、栗がすっかり水がかぶるくらいに水を入れて炊飯します。蒸栗の場合には、栗の殻に切り込みをいれて、炊飯器に栗の重さのだいたい30%くらいの水を入れて、(600gに対して200ccくらい)炊飯します。

蕪と人参の名月味噌汁

■調理時間 10分

■ 材料 3〜4⼈分

味噌
だし汁

蕪の葉
人参
ごま油

  1. 人参と蕪を1センチ幅に輪切りして、丸い型で切り抜く。
  2. 蕪の葉を約1センチ幅で切っておく。
  3. フライパンにごま油(適量)を入れて中火で1,2を丁寧に炒める。
  4. だし汁を火にかけ、温まったら合わせみそを入れ、味を調える。
  5. 4に3を入れて出来上がり

■Point

材料を炒める順番は食材によって工夫してください。盛り付ける際には、あらかじめ具材をお椀に入れておいてから味噌汁のみ注げば均等に盛り付けることが出来ます。型取り後の残菜は、他の料理に使いましょう。

季節の⾶⻯頭の煮物

■調理時間 30分(⾖腐の⽔抜き時間は含まず)

■材料 直径約10cm 3つ

⽊綿⾖腐 1丁(300g)
⼭芋 30g
銀杏 6個
椎茸 2個
残菜(にんじん、⼤根、蕪など余っているもの) 適量
⼩松菜 1束
だし汁 300cc

  1. ⽊綿⾖腐を同じ⼤きさのバット等で挟み上に重しを乗せて、しっかり⽔抜きをする。
  2. 椎茸を薄くスライスし、残菜は均等な⼤きさに細かく切っておく。
  3. 1をボールに移し、すった⼭芋を⾖腐に対して1割まぜて、つぶしながらよく混ぜる。
  4. 3に銀杏と2を合わせて、塩⼩さじ1と⽚栗粉⼤さじ1ずつまぶし混ぜ合わせる。
  5. 好みの⼤きさに丸めて170℃程度の油で5〜6分揚げる。揚げたあと表⾯にサッと熱湯をかけ油抜きをする。
  6. だし汁を⽕にかけて5を⼊れ、薄⼝しょうゆと酒でうすく味をつけて15分煮る。
  7. お⽫に盛り付け、塩ゆでした⼩松菜で周りを飾りつけて出来上がり

■Point

油で揚げる時は、余計な水分をキッチンペーパーなどで取ってから揚げてください。

満⽉ゼリー⻘みかんシロップ

■調理時間 10分(冷やし固める時間は含まず)

■ 材料  7cmの器 6個分

アガー 10g
⽔ 500cc
甜菜糖シロップ ⼤さじ4
⻘みかん(もしくはすだち、レモンなど) 3個

  1. 鍋に⽔を⼊れて、アガーを少しずつ⼊れて、だまにならないように溶か
    す。
  2. アガーが⽔に溶けたら、中⽕にかけて、沸騰させ、約1分加熱する。
  3. 器にアガーを流し⼊れる。常温で30分くらい放置して固める。
  4. ⻘みかんをスライスして4〜6等分にし、シロップにつける。
  5. 器に固まったアガーを盛り付け、上からシロップをかけて出来上がり

■Point
アガーは溶けにくく⽟になりやすいので、少量ずつ振り⼊れること。⽟になったら器に⼊れる前に漉し器で濾してください。滑らかなゼリーになります。

■Make your own.
アガーの代わりにゼラチンで作ることもできます。ただし、ゼラチンの場合には動物性なので精進料理にはなりません。