【シャンティ国際ボランティア会(SVA)たより】SVA設立45周年を迎えて

2026.01.19

改歳の令辰、皆々さまには益々ご清祥の段大慶に存じ上げます。

日頃、弊会の活動につきまして陰に陽にご支援賜り、深甚なる感謝を申し上げます。

社団法人化を翌年に控えた「曹洞宗国際ボランティア会」総会(正面右から3人目:松永師、同右から4人目:有馬師)

さて、1970年代後半のカンボジア難民の発生をきっかけに曹洞宗門の提唱により組織された「曹洞宗東南アジア難民救済会議(JSRC)」。これを母体として活動を引き継いだのが、シャンティ国際ボランティア会の前身「曹洞宗ボランティア会」でした。その第1回設立総会が宗務庁会議室を借りて1981年(昭和56年)12月に開かれ、初代会長に故松永然道師、事務局長に故有馬実成師を選出し、仏教系の国際開発協力を行う非政府組織(NGO)として、その第一歩を踏み出しました。活動も難民救援から教育・文化支援の分野へと幅を拡げ、活動対象地域もタイ、カンボジア、ラオスの3ヵ国に拡大していきました。

やがて1999年(平成11年)には、それまで任意団体だったのを、国の内外において社会的責任を明確にすべく「社団法人シャンティ国際ボランティア会(略称SVA)」として法人格を取得し、新たな出発を果たすことができました。また、2011年(平成23年)には公益社団法人へと移行。現在は活動対象国も拡大し、日本を含めアジア七ヵ国八地域に及ぶまでになりました。

そこには仏教国もあればイスラム教或いはヒンズー教といった異なった宗教が主流の国もあります。つまり、こうした違いをいかに乗り越えて行くべきか、SVAの定款には次のように謳っています。「(前略)全ての民族と人間の尊厳性が尊重され、又、国家や民族、宗教、言語、文化の違いを超えて共生し、〈共に生き、共に学ぶ〉ような地球市民社会の構築を目指し云々」。困難な状況下にある人々に支援することで活動も自然に拡がってきたといえます。

その中でも難民救援や、徹底的に破却された仏教文化遺産、トリピタカ(南伝大蔵経)復刻事業をお手伝いし、以後、教育・文化支援に注力してきたカンボジア事務所は、開設35周年を迎えました。現地のカンボジア人スタッフも理念を共有し、運営現地化を目指して経験を積み重ねているところです。

 

緊急救援活動について

国内に目を転じると、1995年(平成7年)の阪神・淡路大震災からは国内の緊急救援活動を実施し、以後甚大な自然災害にはスタッフ派遣の体制を構築してきました。

近くは、発災から2年となる能登半島地震。また、同年9月の豪雨災害が追い打ちをかけ、被災された皆さまには心よりお見舞いを申し上げます。SVAは発災当初よりニーズに合わせた支援を、顔の見える関係に留意し、時に全国曹洞宗青年会の助力をいただきながら支援活動をしてきました。現在は、輪島市立図書館と協働で、仮設住宅や公民館などへの移動図書館活動を実施し、お茶飲みコーナーを併設して安心できるひと時を過ごしていただいています。少子高齢化・人口流出など多くの課題がある中で、能登に合った生活習慣や文化・伝統を守りながら持続可能な街づくりがゆっくり着実に進むことを願うばかりです。

また、海外の活動地においてもミャンマーとアフガニスタンにおける甚大な地震被害に対し、現地事務所は緊急人道支援活動を実施しています。

一方、もう一つの国内活動は、在留外国人への包括支援事業です。現在は東京都豊島区・練馬区に活動地を絞り、行政及び弁護士事務所、地域の支援団体と連携したフードパントリー・相談会の開催、外国ルーツの子どもたちの孤立・貧困・教育格差といったさまざまな課題に対してもニーズに対応し、どんな人も安心して暮らしていける多文化共生社会を目指しています。

以上のさまざまな活動を通し、SVAは「共に生き、共に学ぶ」平和な社会の実現を目指し、皆さまと共に歩んでまいりたいと思います。

シャンティ国際ボランティア会 会長 若林恭英

シャンティ国際ボランティア会
〒160-0015 東京都新宿区大京町31 慈母会館2·3階