【シャンティ国際ボランティア会(SVA)たより】支援の縁 能登半島地震から2年
「元気にしとった? 總持寺通り商店街仮設商店の周りも、ゆっくりやけど公費解体が進んで、次の計画に向けて動き始めた感じですね」と、時々、石川県輪島市門前町の禅の里交流館・管理部長を務める宮下杏里さんから「門前町の復興状況」について電話をいただくことがあります。
宮下さんとの出会いは2年前。私たちSVAが能登半島地震の支援活動で「支援拠点」として輪島市所有の禅の里交流館(現地管理者が總持寺祖院監院老師)をお借りできたときでした。日常の管理責任者が宮下さんであり、彼女自身も被災し避難所生活をされていましたが、緊急時はSVAの臨時スタッフとして共に活動をしてくれたご縁がありました。そして彼女は、總持寺祖院だけではなく地元のことを知り尽くした人材として、緊急時には大いに活躍してくれました。
現在、彼女は仮設住宅に住みながらも、總持寺通り商店街のコミュニティマネージャーとして、街の復興計画を進めるメンバーとして、また門前町観光協会「観光再生支援事業」にも関わり、總持寺祖院のガイドや復興イベントなども手掛けています。
現在SVAは、現地にスタッフ一名が常駐し、輪島市の図書館職員と連携し仮設住宅の集会所や公民館13ヵ所に移動図書館車を走らせています。軽バンの移動図書館車に図書館の本を積んで巡回する活動です(3月からは専用の移動図書館車で運行中)。仮設住宅に暮らす方々へ本の貸し出しをしながら、お茶を飲み、お互いが気軽に語りあえる住民の交流の場としてのコミュニティ支援でもあります。
利用者の方からは「仮設住宅に居ると本が読みたくても、図書館は遠いので助かります。本を選ぶだけでなく、お茶を飲みながらみんなとお話ができて嬉しいです」という声がよせられるなど、仮設住宅で孤立しがちな高齢の方々が集まれる機会にもなっています。ちなみに、この活動は東日本大震災のとき、岩手、宮城、福島の仮設住宅で行った経験が活かされています。

輪島市での移動図書館活動は「ほんねんて! ブックカフェ」と銘打って、本を貸し出しながらお茶を飲む集いの場としています。「ほんねんて」とは、「本」「本音」そして輪島弁の「ほんねんて(そうなのですよ)」をかけた言葉で、より利用者に親しんでもらいたいと輪島市の図書館員さんが命名しました。この活動は、輪島市の仮設住宅に暮らしている方々からまだまだニーズがあるとのことから、1000冊を積むことができる専用の移動図書館車の準備をしてきました。
その車両がようやく完成し、昨年12月、私はSVA会長らと共に輪島市役所を訪れ、教育委員会教育長はじめ図書館関係者の出席のもと移動図書館車両贈呈式を行いました。特に、「支援の縁」として震災当時から共に活動を行ってきた輪島市図書館員の方からは「これからは仮設住宅の集会所や公民館に加え、幼稚園や保育園に運行を拡げて、子どもたちへの本の提供をしていきたいですね」と意欲的な声をいただきました。仮設住宅で生活される方々に「本が温かいこころの栄養」となるような活動をしばらく続けていきます。
SVAの役員としては、日々の移動図書館活動に関わることは難しいですが、時々、現地視察に行き、その時には、總持寺祖院と門前町の商店街も合わせて訪問して、地域の皆さまと顔を合わせ「支援の縁」を続けていきたいと思います。二年近くの支援活動を通じて、總持寺祖院の門前の方々と交流していると「お帰りなさい!」と声をかけられます。そんなときは「また、いつ行くか?」ではなく「いつ戻るか?」そんな気持ちで輪島市門前町を見つめていきたいと思っています。
シャンティ国際ボランティア会副会長 茅野俊幸
シャンティ国際ボランティア会
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