【シャンティ国際ボランティア会(SVA)だより】動画〈特別対談〉昭和を代表する仏教者有馬実成を語る(島薗進×大菅俊幸)

2026.07.21

トップとなった有馬

昨年、令和7年(2025年)が昭和100年にあたるところから、「仏教タイムス」紙において、昭和100年「みんなで選ぶ仏教者100人」が企画された。1人につき3人を推薦することで、読者などに協力が呼びかけられ、最終的に52人から回答があり、117人が推薦された。その結果、トップにランクされたのが、光栄なことに、当会の創設者であり、日本のNGO育成にも力を尽くした有馬実成であった。

ちなみに、第2位は、国際的なインド学者、仏教学者であった中村元氏。第3位は、ベストセラー『般若心経入門』で知られ、南無の会の会長として一般向けに仏教を優しく説いた松原泰道氏であった。お二方とも大変著名な方々である。それに比して、有馬は、一般にほとんど知られていないのに、なぜトップなのか、少し意外に思った。が、考えてみれば、何か起きるかわからない「まさかの時代」の今、これからの仏教と社会のあり方について考える上では、有馬の実績が注目されるようになるのは、むしろ順当なことなのかもしれない。

 

島薗進氏も推薦の一票を

この企画において、有馬に推薦の一票を投じてくださった一人が、宗教学者の島薗進氏(東京大学名誉教授)である。島薗氏は、仏教の社会倫理を探究した人として、有馬を高く評価してくださっている。ちなみに、有馬の評伝、拙著『増補新版 泥の菩薩』の解説にも次のような言葉を寄せてくださっている。

曹洞宗の一僧侶である有馬実成だが、その歩みは現代日本の伝統仏教が直面している課題に正面から向き合い、そこに新たな光を見出して行く開拓者の歩みでもあった。本書を通して見えてくる現代日本の仏教の像は、葬祭仏教の実態に即して描かれる仏教の像や、宗派中心や「思想」中心の仏教の像とはだいぶ異なるものである。しかし、実践的な関心をもちつつ、今後の日本仏教を見通そうとする読者にとっては、学ぶところが少なくないはずだ。

 

連続講座『泥の菩薩』、そして「特別対談」を公開

こうしてトップに選出された有馬だが、それが報じられたのが、昨年6月の「仏教タイムス」紙上であった。折しも、有馬の生涯を紹介する動画の公開に向けて、準備を始めたころだったので、私たちにとって大きな励ましとなった。

その動画というのは、連続講座『泥の菩薩 仏教NGOの開拓者 有馬実成』である。当会の創始者で、日本のNGO界のリーダーでもあった仏教者、有馬実成が辿った生涯の軌跡について紹介する動画である。同名の評伝の読者から熱心な要望が寄せられ、それに応えて実現の運びとなったものである。案内役は、本書の著者で、SVA専門アドバイザーである大菅。第1章から第6章まで、1章ずつ、本書の内容のエキスが語られ、折々、有馬ゆかりの方々も登場し、尊い体験談が披露される。

そして、このほど、先ほど紹介した宗教学者・島薗進氏と大菅との特別対談を公開・配信した。題して「昭和を代表する仏教者 有馬実成を語る」。この度の「みんなで選ぶ仏教者100人」で、有馬がトップになったことへの記念の意味を込めている。

有馬の思想や実践への評価が高まり、その歴史的、現代的意義が注目されるようになってきた現在。連続講座、および特別対談はその入門編にもなると思われる。皆さまの視聴を心よりおすすめしたい。

各動画は、こちらからご覧いただけます。

シャンティ国際ボランティア会専門アドバイザー 大菅俊幸

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